
これから連載で、私が猫を飼い始めるまで、そして猫と暮らしながら少しずつ変わっていく過程を、エッセイ風に書き綴っていきます。
動物との距離感がわからなかった小学生のころの私から始まり、気づけば猫と暮らしている現在まで。
大きな決意も、劇的な変化も、たぶんない。
ただ、気がついたらそこにいた。
主人に言いくるめられた、というのが一番近い気がしている。
「猫が大好き!」とは言えなかった私が、なぜ猫と暮らすことになったのか。
そして、猫との生活がどのように私を変えていったのか。
そんな話を少し少しずつ書いていきます。今回の記事はその序章です。
動物との距離感がわからなかった子どもの頃:かわいいけれどちょっと怖い

私は昔から、動物との距離感がよくわからなかった。
嫌い、というほどではない。
でも、「かわいいー!」と全力で近づいていけるタイプでもなかった。
その原因は、たぶん近所の犬である。
小さい犬だった。
けれど、ものすごく吠えた。
しかも、追いかけてくる。
その犬の前を通るときは、あえてゆっくり、、、ゆっくり歩く。
刺激しないように。気づかれないように。
「私を見ないで」
当時の私にとって犬とは、なんの前触れもなくダッシュしてきて、全力で主張してくる生き物だった。
小学生の私には、自分よりずっと大きく、ずっと怖い存在に見えていた。
たぶん「命を狙われている」くらいの気持ちで逃げていたと思う。
噛まれたくないし、襲われたくない。
今なら、犬なりに縄張りを守っていたのだろうとも思う。
でも当時の私は、犬の気持ちを理解しようとする余裕なんてなかった。
一方、猫にもあまり縁がなかった。
近所に猫を放し飼いにしている家があり、数匹の猫がいつも外を走っていた。
でも猫は犬以上に距離感が難しい。
呼んでも来ないし、気が付けばもういない。
とにかく動きが速い。
私の中で猫は、「かわいい」と感じる前に、もうどこかへ行ってしまう生き物だった。
人に懐くというより、自分の世界を生きている。
そんな印象が強かった。
もっと猫の気持ちを想像すればよかったのだ。

そもそも、私の家には動物を飼う文化がなかった。
だから触れ合い方もよくわからない。
友達の家の大きな犬も
ピアノの先生の家の犬も
本当はもっと仲良くなりたかった。
かわいいとは思う。頭を撫でたり、一緒に遊んだりしてみたい気持ちもある。
でも、
「今、触っていいの?」
「急に噛まれない?」
「この距離、合ってる?」
そんなことばかり考えてしまって、結局ぎこちなく立ち尽くしていた。
動物が苦手というより、私はずっと、「接し方がわからなかった」のだと思う。
「動物、好き?」と聞かれるたびに、私はいつも少し困った顔をした。
嫌いじゃない。でも得意でもない。
かわいいとは思う。でも愛着の持ち方がわからない。
ふれあいたい。でも近づき方がわからない。
その数十センチの壁を、私はずっと越えられないまま大人になった。
まさか、その壁の向こう側に引っ張り込まれる日が来るとは。
このときの私は、まだ知らない。


